業務管理の総合ソリューション
らくらくBOSSを導入される利用者様の
悩みは多様です。
こんな企業で”驚きの効果”
あらゆる企業様の導入事例を紹介します。
読売新聞を発行する読売新聞3本社では、全国約300の事業所で約5500人が勤務、年間1000件超の転居や通勤経路の変更があります。その通勤費精算ではこれまで自社スクラッチシステムを使っていましたが、雇用の多様化で申請業務の作業量が増大。複数のサービスから「らくらく定期.net」を選定、同社の業務用システムとしては異例の外部パッケージのノンカスタマイズ導入に踏み切りました。読売新聞東京本社 総務局人事部次長の野中武生さんと、読売新聞3本社の給与計算を受託する関連会社の「読売プラス」業務ユニット計算センター課長の猪俣慶さんに、導入経緯やその後の変化について話をうかがいました。
通勤費の精算管理業務に関して、これまでどのような悩み・課題を抱えていましたか。
野中 読売新聞は東京、大阪、西部(福岡)の別法人による3本社体制であり、社員や定年後の再雇用者、契約スタッフなど合わせて約5500人が全国約300の事業所や関連会社で勤務しています。その全員の給与計算や通勤費精算は、本社が業務用システムを導入、管理し、関連会社である読売プラスに作業と運用を委託しています。
猪俣 読売新聞は1年を通じて転勤を含む社員の異動が多く、それだけで年1000件ほどを処理します。また契約スタッフなど有期雇用者の入れ替わりもあります。
旧システムは、6か月定期券の現物支給時代の業務をベースにしていたので、1月と7月に6か月定期券代を支給し、他の月の異動は精算で対応するようになっていました。
しかし、2013年ごろから雇用形態が多様化し、契約スタッフなどで1か月定期を使う人が急増しました。旧システムは6か月定期券代の支給に特化した作りで、それ以外の定期を使う際はエクセルを使って手作業で処理するしかなく、ミスを避けるには何度もチェックする必要がありました。そのうえ、現物支給時代の名残りで通勤費の振り込みを給与とは別に行い、精算は翌月以降の給与から差し引くことになっていました。担当者は常に支給や精算、残高管理といった毎月数百もの手作業を抱える状態となってしまい、休日も取れない状況でした。
パッケージシステムの導入に踏み切られたきっかけをお教えください。
野中 2013年当時、旧システムのサーバー更新時期が近づいていました。雇用形態の多様化などで業務が変化し、システムの仕様が合わなくなってきました。さらに2014年1月には大手町新社屋の完成にともない、東銀座の仮社屋から社員が一斉に移転し、通勤経路が切り替わるという課題もありました。
もう一度システムを改修し延命するか、別のシステムに変えるのか、業務プロセスを抜本的に見直す必要性があるのではないか、その判断を迫られていました。いずれにしても、現場が使いやすいシステムで、シンプルで間違いの起こりにくい業務プロセスにしたいと考え、読売プラスに通勤費の業務やシステムについて意見を出してほしいとお願いしたのです。
猪俣 業務の問題は、先ほどのとおりです。私たちはまず、情報収集から始めました。2013年2月に、オービック主催の情報セミナーに参加して、「らくらく定期.net」の商品説明を伺いました。システムの情報収集でもっとも気にしたことは“標準仕様でどこまで対応できるか”という点です。この先、税金や法律が改正される度にカスタマイズが必要になっては手間も費用もかかってしまいます。
そこで、旧システムで実現していた、「6か月定期券の精算処理」などが可能かといった疑問点をすべて書き出して、質問表を作成。無限さんに投げかけました。すると、多くの処理が「標準で対応でき、先行企業でもノンカスタマイズで導入されている」との回答をいただけたため、今後も長期的に使えるシステムと判断。1か月後には、読売新聞東京本社(以下本社)あてに旧システムの代替案として、外部システム利用の提案書を提出したのです。
どのような経緯で導入システムを「らくらく定期.net」に決定されたのですか。
野中 本社では人事部や情報システム部門も検討チームに加わり、初期導入費用および今後5年間の保守費用で、当時のシステムの「改修と延命」か「外部システムの導入」を比較しました。外部システムの導入は、業務プロセスの変更を伴う条件付きです。検討の結果、「らくらく定期.net」を導入するほうが、将来性、作業の柔軟性、コスト面でよりよい結果が出せると判断。他社製品も検討しましたが、標準機能で「らくらく定期.net」以上に支給、精算、運賃改定処理をスムーズに行えるものはありませんでした。
そして最終的に本社が「らくらく定期.net」を選定した理由には、コスト面だけでなく、実務を担う読売プラスの皆さんの提案に、「らくらく定期.net」は使いやすく、業務プロセスを多少変更すれば、ノンカスタマイズで導入しても課題を解決できるソフトであるとの期待がこめられていたことがあります。現場から上がった「これなら業務ができる」という声が、読売プラスの提案を実現するという私の判断を後押ししました。
その後は、2013年7月に会社として意思決定し、システム導入と業務プロセスを変える準備を進めました。支給や精算方法、明細書など社員の目に触れる部分の変更を社内に周知して、本社の移転に合わせた2014年1月支給分より本稼働を開始しました。システムを導入して丸3年になります。
実際にシステムを使ってみて、感じられたことはありましたか。
猪俣 「らくらく定期.net」は思っていた以上に使いやすく感じています。旧システムはベテラン担当者でなければ使いこなせませんでした。「らくらく定期.net」は、画面を見れば操作ができるので、入社直後の新人でも通勤費精算が行えるようになりました。仕事が属人化しなくなったことで業務効率も上がりました。
日々の運用でも、旧システムでは社員データがうまく反映されないときは、技術部門の対応を待たねばならないこともありましたが、「らくらく定期.net」は給与システムから出力したデータを、メニューから簡単な作業で取り込むことができます。追加する社員データも容易に個別入力できるので、メンテナンス作業が大幅に軽減されました。
また、旧システム時代は通勤費明細を紙で出力し、社内便で個々に送っていました。「らくらく定期.net」導入後は印刷や配布の手間と費用が削減できています。
既存の人事給与管理システムとの連携はどのように進められましたか。
野中 無限さんには旧システムのデータを提示し、原則として同じようなデータを出力できるように調整を依頼しました。その後、調整の難しい部分については本社の情報システム部門に相談しました。双方に調整が必要なのは、パッケージ導入の想定の範囲内でした。
システムを導入して体制および業務フローに、どのような改善効果がありましたか。
猪俣 以前の月例業務のスケジュールは、通勤費を月2回、給与とは別に振り込み、その後の給与で精算額を差し引くというものでした。そのため、作業のピークが分散する半面、繁忙期が延々と続く状態でした。現在は「らくらく定期.net」の導入に合わせて行っていただいた業務プロセスの変更により、担当者の月例業務を集約できました。その結果、交通費に関わる作業量が軽減し、閑散期を生み出すことも可能となり、以前より休暇も取得しやすくなっています。
野中 「らくらく定期.net」の導入時にセキュリティ面も再検討し、今では日常の運用では技術担当者の手を煩わせることがなくなりました。
システム導入によるコスト削減額はどのくらいになりましたか。
野中 トータルすると大幅な削減となっています。導入費用は自社システムの開発費と比較すると何分の1というレベルであり、月の保守料も半額くらいになりました。他では月2回の振込みが1回になって振込手数料が減り、社内のエンジニアはシステムトラブルの対応が不要になったので、その分は別の業務に当たれます。全般に作業効率が良くなっているので、その人件費が削減されています。
猪俣 ベテランスタッフを配置しなくてもよくなったので、その分の人件費が下がりました。実はこれまでの担当者はシステムに詳しい人材でしたので、今では読売新聞の社員と外部寄稿者を含めたマイナンバー管理業務を構築して、その担当部署の課長になっています。人材の有効活用にも貢献しています。
経営を支える人事総務部門として、業務において大切にされていることをお教えください。
野中 作業の正確さの追求と、その作業にかかる人的および費用的なコストのバランスを考えることではないでしょうか。チェックを増やしてミスを防ごうとしても、部員の負荷が増大すれば、人件費は増え、ミスの増加も懸念されます。一方、複雑な業務をシステム化すれば、開発コストを覚悟しなければなりません。これらのバランスをとるには、業務を分析し、標準化することが大切だと考えます。作業の改善点が見つかれば、どこをシステム化し、どこを手作業でやらねばならないのかを判断することも可能です。必要なら業務そのものを変えていく。完成度の高いパッケージシステム導入は、力を注ぐべきところとそうでないところの見極めに貢献するのではないかと思います。
最後に、通勤費の精算に悩まれている管理部門の方へアドバイスをお願いいたします。
野中 大きな企業では、独自の人事・給与システムやパッケージに多くアドオンを載せて運用されているところも多いと思います。しかし、例えばトラブルが発生したとき、システム運用の現場の人には、原因が単なるオペレーションミスなのか、標準機能なのかアドオンなのかわからないということがよくあります。結局はすべて情報システム部門頼みになり、負担は大きくなってしまいます。
しかし、今回導入した「らくらく定期.net」は、情報システム部門は日常の運用にはほとんど絡んでいません。「らくらく定期.net」の導入は、経緯やその後の運用も見ると、私たちの会社の大変エポックメイキングな出来事になったように思います。
読売新聞
140年以上の歴史がある読売新聞。朝刊発行部数は全国で936万8504部(2015年11月日本ABC協会報告)を数え、世界最大の発行部数を誇る。国内外に300を超える取材拠点を展開し、幅広いネットワークを元に情報を発信。読売新聞グループは新聞のほかにも、文化、スポーツ、レジャーなど様々な分野で事業を展開している。
東京本社、大阪本社、西部本社
約5500名(契約スタッフなど含む)
http://info.yomiuri.co.jp/