旅費交通費 とは?
会社における経費の中で、どの項目が旅費交通費に該当するか皆さんは正しく理解されていますか?通勤や出張にかかる交通費などは当たり前ですが、「社員旅行で使う交通費・宿泊費」と答えてしまったあなた。実は、社員旅行費と旅費交通費は関係がありません。
このように知っているようで意外と知らない、旅費交通費の基本についておさらいします。勘違いや疑問なく処理していて間違った経費精算をしないためにも、ここで基本を学んでみてください。
旅費交通費とはなにか?
会社の役員や従業員が、業務を遂行するために必要とする「旅費」および「交通費」を管理するための勘定科目です。ただし、全ての旅費や交通費が、これに該当するわけではありません。
一般的に、ビジネスに関連した費用ならば旅費交通費として全額経費扱いになりますが、同じ地域へ行ったとしてもその目的が観光の場合は、費用を支払ったのが会社であっても個人に対する給与として精算されます。
ちなみに旅費交通費は、「旅費」と「交通費」に分けて考えるのが通常です。
旅費とは?
旅費は出張などで遠隔地に宿泊する際に支給される費用のことです。移動のための交通費、宿泊費、出張手当も含まれます。
出張交通費
電車・バス・航空などの運賃、有料道路通行料金など
- 出張宿泊費
- 昼食費・その他食事にかかった費用
- 出張手当(日当)
- 赴任旅費(支度金)
出張費の仮払い
遠方への出張、1週間以上の長期にわたる出張の場合、仮払金として一定金額を事前に支給することがあります。現金を渡したならば、仮払金として処理し、出張から帰ったら旅費交通費に振り替えます。
精算には領収書が必要なので、社員には必ず受けとるよう伝えておきましょう。ただし、公共交通機関では領収書がもれないことが多いため、出金伝票を作成してもらうか、費用内訳を記入した旅費精算書を提出してもらいましょう。
社員旅行は旅費交通費に含まれない?
意外と知られていませんが、社員旅行の際に会社が負担した交通費や宿泊費などの諸費用は旅費交通費には含まれません。社員旅行は福利厚生の一環なので、勘定科目的には福利厚生費に仕訳がさられます。
これには何点か注意が必要です。たとえ社員旅行であっても、条件によっては給与とみなされ課税対象になる場合があることです。
- 会社主催の旅行であることを証明すること
- 旅行期間が4泊5日以内であること
- 旅行に参加した人数が、会社の従業員全体の半数以上であること
- 社員1人に対して会社負担額が10万円以下であること
最後の条件に関してはあくまで目安であり、規定は存在しません。しかし、社員旅行における会社負担が多すぎると、給与所得とみなされる場合があります。その基準が10万円とするのが一般的な考え方で、それ以上になると税務調査で指摘され、課税対象になる可能性があります。
出張手当について
出張した会社の役員・社員に対して、出張の際に必要な交通費・宿泊費以外に支給する金銭を指します。日常的な勤務とは異なる場所での勤務には精神的ストレスが少なからずかかり、地域ごとの物価の違いで普段以上の出費が発生する可能性があります。それに対するねぎらいの費用や、飲食代などの諸経費を補助する意味合いで支給されるものです。
「通常必要」と考えられる出張手当に関して原則として課税対象にはなりません。会社では、従業員をはじめ社長や家族従業員に支払う出張手当も、経費として計上することが認められています。
旅費規程を作ろう
出張手当などの支給にあたり、旅費規程の作成が必要になります。これが作成されていない、または規定が適切でない場合、税務調査が入った際に経費が否認される可能性があります。あらかじめ旅費規程を作成しておくことで、規定で定めた金額を必要経費として本人へ支給できるようになります。
ただし、いくら旅費規程で定めているからといって、1泊3万円以上も宿泊費を支給するなど常識の範囲を超えると、給与に相当すると判断されるので注意しましょう。
交通費とは?
比較的短距離で使われる交通費のことを指します。通勤定期代、電車・バスなどの運賃、高速道路・有料区間の料金、駐車場料金などが該当します。
通勤費
通勤に必要な交通機関(電車・バスなど)の利用や、交通用具(自動車・バイク・自転車)の使用のために役員及び従業員に支給する金銭を指します。通勤費は基本給に加算して支給する手当であり、原則として非課税です。ちなみに通勤費の非課税対象は、税務署によって以下のように規定されています。
徒歩通勤の場合はどうする?
会社によっては、通勤手段に関係なく全社員に一定金額を通勤手当として支給する場合があります。その際に、徒歩通勤の社員に支給した通勤手当はどうなるかというと、原則課税対象になります。
先の表にも記載されているように、通勤手当を支給する社員の対象は「① 交通機関又は有料道路を利用している人」「② 自動車や自転車などの交通用具を使用している人」「③ 交通機関を利用している人に」「④ 交通機関又は有料道路を利用するほか、交通 用具も使用している人」です。この中に徒歩通勤は含まれていませんので、課税対象になります。
旅費交通費を効率よく管理しよう!
以上のように、旅費交通費(旅費および交通費)には細かい規定があり、意外と知られていないところも多いため、仕訳の際に間違わないよう注意しましょう。
ちなみに、旅費交通費は会社で管理する経費のうち、申請プロセスが複雑で精算にも時間がかかることから、手間とコストがよくかかる勘定科目です。そのため、システムを使って旅費交通費を効率よく管理することをおすすめします。
このような場合旅費交通費に特化したシステムで管理することで、申請プロセスから精算まで、多様な業務を効率よく行えます。
また、コスト削減シミュレーターをご利用いただければ、自社のケースでどの程度削減できるかすぐに試算できます。ぜひお試しください。
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