通勤費管理は アウトソーシング という考え方も
煩雑で複雑な「通勤費管理業務」は、人事・総務の担当者にとって定番の改善ポイントです。
ただ、情報の整理や変更への対応に手がかかるがゆえに、効率的に作業する仕組みづくりもままならないというのが現状ではないでしょうか。
そんな難関をクリアし、主要業務に集中できる環境づくりを目指したい。
そのための手法のひとつに、「アウトソーシング化」があります。そもそも、通勤費の管理をアウトソーシングすると、何が起こるのか。
人事・総務業務はどう変わるのか。具体的に見ていきましょう。
通勤費の管理作業が煩雑になる理由は?
申請を受けて、それを処理し管理するまで、通勤費の管理業務にはさまざまな工程があります。
・通勤経路の判断
・経路の変更処理
・料金改定や駅名変更への対応
・払い戻しの計算
・支給履歴の管理
・マイカー通勤に関する燃料費や経路の管理
・継続的な管理や処理
ざっと挙げるだけでもこのように、単純な事務処理作業にとどまらない、調査や確認を伴う複雑な工程が積み重なっていることは既にご存じのことでしょう。
また、申請を含めた各工程において、ちょっとしたミスや不備が発生する可能性もあり、それがまた時間的な圧迫をもたらすことがあります。
人事・総務のご担当者様の声を聞くと、
「時間を取られ過ぎて、思ったように仕事が進められない」
「五月雨式に申請が上がってくるので、作業スケジュールが混乱する」
「ミスの無いように確認を繰り返しても、必ずミスが出る」
「繁忙期には通勤費の申請書を見るだけでうんざりする」
といった、悲痛な意見も少なくありません。
とはいえ、通勤費管理業務は、社員全員が受け取る給与に直接影響する作業でもあります。
正確性を担保しつつ、いかに効率よく、ストレスなく処理を進めるか。その課題をクリアする方法を、しっかりと考えていく必要があります。
状況に応じて、最適な通勤費管理のスタイルを考える
この煩雑な通勤費管理業務を少しでもラクにし、主業務に集中できる環境を作るためには、大きく分けて2つの手法があります。
ひとつは、通勤費管理のためのシステムを導入する方法。データの連携ややり取りの自動化を可能にするシステムの導入は、作業全体を効率化し、ミスを減らすことにつながります。
申請から処理、管理までを一括で、かつ半自動的に処理できるようになるため、作業工数の大幅軽減はもとより、部署間の連携や確認作業といった面倒な作業領域の簡略化につながります。
一連の「通勤費管理問題」に悩む担当者にとっては、ぜひ採用したい手法のひとつとなるでしょう。
そしてもうひとつは、作業全体を外部に委託するという方法。つまり、通勤費管理業務を「アウトソーシング」するということです。
通勤費管理をアウトソーシングする意義は?
通勤費管理をアウトソーシングするとは、どういうことか
通勤費管理をアウトソーシングするということは、煩雑な業務やキャパシティをオーバーしそうな業務を外部に委託し、社内で行う業務の効率化を図るという点でほかの業務のアウトソーシングと同様の結果が期待できます。
アウトソーシングを請け負う事業者の傾向としては、給与計算などを含む計算業務を代行するところが多いようです。
そういった代行業者のほか、社労士法人や税理士法人などでも、通勤費管理代行を請け負っている場合があります。
通勤費管理アウトソーシングのメリット
通勤費管理のアウトソーシングには、管理システム導入と同じようなメリットのほか、アウトソーシングならではの利点もあります。
- 『給与計算とセットで委託できる』
前述のとおり、通勤費管理代行を請け負う業者は、給与計算などの業務も併せて行っているケースが少なくありません。
そういった業者に通勤費管理だけでなく、給与計算全般の業務をまとめて委託することで、自社内での作業はスムーズなものになります。
主力業務に直結する作業に注力する時間的、労力的余裕も生まれるでしょう。
- 『管理要員の削減につながる』
たとえシステム導入した場合でも、システムのオペレーション担当者は不可欠です。
管理規模や繁忙期の作業によっては複数名の担当者を動員する必要もあるでしょう。アウトソーシングをすることによって、窓口の担当者を一本化。
オペレーション業務を複数の担当で共有・引継ぎすることもなくなり、人的リソースの有効活用が見込めます。
- 『作業範囲をコントロールしやすい』
通勤費管理業務のどこまでを外部に委託するのか、事前に打ち合わせることで、自社の状況にあったアウトソーシングプランを構築できます。
ルーティーンとしてできることは自社で、負担になる部分は外部へ、という調整をし、最適な管理環境を組み立てられます。
- 『繁忙期の作業量を軽減できる』
異動が集中する時期、新入社員が入社する時期などになると、通勤費の管理業務は繁忙期を迎えます。
そういった時期においても、通常作業の大半をアウトソーシングできていれば、業務の大幅な増加を避けることが可能です。
仕事量に大きな波を作らないことは、業務効率化を進めるうえでの大切な要素です。
アウトソーシングにデメリットはあるのか
効率的な通勤費管理に力を発揮するアウトソーシングという手法ですが、運用することにデメリットはないのでしょうか。
もちろん、外部に委託したからといって社内での作業量がゼロになるわけではありませんし、事前に調整をしたり、クリアしたりしておくべきポイントもあります。
より効果的なアウトソーシングのために、デメリットになるかもしれない部分を知り、その解決法も念頭に置いて検討を進めましょう。
- 『システム導入以上にコストがかかる場合も』
どこまでの範囲を外部に委託するのかによっても変動はありますが、長期的に見てシステムの導入を選ぶよりもコストがかさむ可能性があります。
ただ、そこは社内での調整次第。管理業務に携わる人員の削減、業務の煩雑さによる他業務への悪影響の軽減などのメリットと照らし、相殺できると思われるコストの着地点を見出すことで問題は解消できるはずです。
- 『給与計算もセットで委託する必要がある』
通勤費の管理業務を外部委託する場合、それは給与計算代行と連動したプランである場合がほとんどです。
通勤費管理だけを切り離して委託するのは難しいかもしれません。
そういったケースの場合は、給与計算につながる一連の業務をアウトソーシングすることで、より広い範囲での給与計算業務の効率化をイメージし、コストとの兼ね合いを見ることになるでしょう。
業務改革の一環としては、十分に検討の余地のあることです。
- 『完全に「お任せ」というわけではない』
外部に委託したからといって、自社内でやるべきことを丸投げして「おしまい」というわけにはいきません。
支給判断、データの取りまとめなど、継続して自社内でこなさなくてはならない部分もあります。とはいえ、それはイレギュラー事項への対処や、タッチする業務の範囲について、代行業者との間できちんと取り決めをしておけば問題ありません。
事前の調整の際に、ルールやマニュアルを丁寧に整備しておくことをお勧めします。
アウトソーシング化を進める流れについて
通勤費管理のアウトソーシング化をスムーズに導入し、問題なく運用していくためには、いくつかの準備をする必要があります。
業務を代行してくれる業者を探す前にやるべきこと、業者と共にやるべきことについて、その流れをまとめました。
1 目指すべきゴールを設定する
通勤費管理業務を効率化することによって、何を目指すのかを明確にします。
残業削減、時間短縮、人事コスト削減といったゴールと、現状の作業要員の規模、予算などを踏まえて、最適なチョイスをするための準備をしましょう。
2 業務範囲の設定
どこまでを自社内で処理し、どこから代行業者に委託するのか、範囲を決めます。それによってかけられるコスト、要員などの目安が見えてきます。プランがまとまれば、業者選定に入ります。
3 ビジョンの共有とルールづくり
代行業者とは、1で挙げた「目指すべきゴール」を共有しつつ、お互いの業務領域について綿密に話し合います。
さらに、申請から処理完了までの通常スケジュール、イレギュラーなケースへの対応、時期による仕事量の変動に対する対応など、細かなルールについても共有。
会社独自の運用ルールに対応可能かどうかも確認が必要です。
例えば
・通勤経路の認定基準(とにかく安くとか何%までなら認めるなど)
・バス利用の条件
・パートアルバイトなどで月の勤務日数によって実費支給か1ヶ月定期代支給かの判断ルール
・マイカー通勤の地域別の計算条件
・高速道路利用のルート
等々
窓口担当になる社員の選定も行います。
このような流れで、アウトソーシング化を進めます。業務がスタートしてからは、決められたルールとスケジュール感を徹底し、微調整をしながら作業の効率化、ルーティーン化を目指します。
アウトソーシングも、通勤費管理効率化に大きく貢献する!
通勤費管理をアウトソーシングすることが、総務・人事の業務を整理し、安定的に作業を継続する最良の手段のひとつであることがお分かりいただけたかと思います。
日々の通勤費管理に携わりながら「作業に無駄が多い」「時間が足りない」「煩雑で混乱する」といったお悩みをお持ちなら、ぜひアウトソーシング化をご検討ください。
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システム化、アウトソーシングにご興味を持たれたら、ご相談ください。
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