通勤手当の支給間違いが発生する原因と対処、間違いを少なくする方法を解説

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給与の一部である通勤手当の支給は、従業員との信頼関係を壊さないために間違いがないことを求められる業務のひとつです。しかし、手作業で行う場合は工数がかかるため、申請や計算の誤りによって支給間違いが発生することがあります。

本記事では、通勤手当の支給間違いのよくある原因と、間違いを減らすための具体的な対策をわかりやすく解説します。

通勤手当の支給間違いが発生する原因

 通勤手当の支給間違いは、従業員の申請や経路変更、運賃改定など様々なタイミングで発生します。特に人事異動が多い時期は入力や確認作業が煩雑になり、間違いが増える傾向にあります。

従業員側の申請手続きの不備

支給間違いの原因としてまず挙げられるのが、従業員側の申請手続きの不備です。

定期券の金額や経路、利用開始日などを誤って申請するケースは非常に多いため、通勤手当管理担当者は一つ一つの項目を入念に確認する必要があります。

通勤手当の管理をシステム化していない場合は、申請者が調べた経路がなかなか出てこないこともあり、確認作業は時間と集中力を必要とします。

経路や運賃の変動

転居や異動に伴う通勤経路の変更や、公共交通機関の運賃改定のタイミングは、支給間違いの発生しやすいタイミングです。

2023年以降は、全国的に運賃改定が五月雨式に発生しているため、最新の運賃情報を反映することに苦労している企業も多いのではないでしょうか。

通勤手当は企業側に支給義務はないため、多くの場合は旧料金のまま支払い続けても問題はありません。しかし、転居や運賃改定後に遅れて従業員から申請があった場合も、変更のあった月まで遡り遡及計算をしている企業が多いようです。

計算や入力のミス

システム化していない場合、繁忙期に特に多くなるのが計算や入力のミスです。

入退社や異動、転居が多くなる時期は申請が多く、その確認や転記、払い戻し計算などの作業が増加します。また、社会保険料計算の時期は全従業員分の計算を一度に行うためミスが発生しやすくなります。

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出社日数の相違

在宅勤務を採用している企業の多くは、出社日数に合わせた通勤手当の支給をしています。

勤怠システムから出社日数を割り出すやり方であれば、日数の相違は起きにくいですが、従業員が毎月出社日数を申請する場合は実際の出社日数と合わないことがあるので注意が必要です。
また、直行や直帰による片道分の通勤手当支給が混在するとさらに複雑になります。


通勤手当の支給間違いが発生した際の対処

支給間違いを起こさないように日頃から意識したり仕組化したりしても、様々な要因で発生する支給間違いを完全に防ぐのは難しいです。

支給間違いが発生した際は、迅速かつ正確な対応をしましょう。更なる間違いが起こらないように、ルールを理解したうえで処理することが重要です。

支給額に過不足がある場合は即時精算する

支給額が不足している場合は、労働基準法第24条に記載されている「全額支払いの原則」に基づき速やかな調整が必要です。やむを得ない事情がある場合は、従業員の同意を得て翌月に調整することも可能ですが、給与は原則として当月中の調整が求められ、翌月での調整は違法となります。

支給額が過払いの場合は、当月〜翌月支給日までに調整します。
不足していた場合と同様に当月中の調整が望ましいですが、労使協定で給与計算の間違いが発生した際の翌月調整を定めていて従業員の同意がある場合は翌月の調整も可能です。
従業員の同意なしで、過払い分を差し引くことはできませんので注意が必要です。

従業員の同意を得る際は、法的トラブルを避けるために書面で同意を取るようにしましょう。

参考:労働基準法第24条(賃金の支払)について

課税・非課税と社会保険料の確認

精算額の調整時には、課税額や社会保険料に変更がないかを必ず確認しましょう。

システムで課税額や社会保険料の計算が自動で行われる場合は安心ですが、システム化していない場合は遡及計算時に行う作業リストを作成して作業漏れを防止するのもおすすめです。

通勤手当を不正受給したらどうなる?

通勤手当の支給間違いの中には、従業員が虚偽の申請や事実の隠蔽などの不正を行い、実際よりも多く通勤手当を受け取るケースもあります。このような不正受給は、申請やチェック体制が手作業で行われている場合に起こりやすくなります。

不正受給が発覚すると、返金だけでなく懲戒処分や法的措置の対象になる場合があります。
そうした事態を避けるために、通勤手当の支給に関するルールの明文化や、従業員への周知、定期的な見直しなど不正防止の仕組を整えることが大切です。

不正受給で最も多いのは、実際に通う経路よりも遠回りの経路を通勤経路として申請するケースです。ひと月当たりの金額は少額でも、期間が長くなると高額になります。申請内容の確認は入念に行いましょう。

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通勤手当の間違いを少なくするための対策方法

支給間違いを完全になくすのは難しいですが、少なくする対策方法はいくつかあります。一般的な方法をご紹介するので、是非参考にしてください。

チェック体制の強化

今回ご紹介したミスの多くは、チェックで防ぐことができます。
通勤手当の支給間違い防止には、チェックリストの活用、2人以上でのダブルチェック、定期的な通勤経路の見直しなどが有効です。複数の手段を組み合わせて行うとミス防止効果は高まります。

支給ルールを明確化し周知する

通勤手当を非課税で支給するためには、最も「経済的かつ合理的」と考えられる経路、手段に基づいて算出する必要があります。しかし、何をもって「経済的かつ合理的」とするのかは明確に定められていないため、企業ごとに支給ルールの設定をしています。

従業員間の不公平や、管理者の承認作業の迷いを取り除くために、支給ルールは細かく設定し明文化しましょう。
支給ルールを設定したら、規定外の申請を防ぐために周知することも重要です。

システムの導入を検討する

最も効果の高い対策はシステムの導入です。
通勤手当の管理に特化しているシステムでは、規定に合わせた通勤経路の申請・承認ができたり、計算を自動化できたりします。手作業を減らし業務の工数削減ができるため、ミスが起こりづらくなります。

システムを選ぶ際は、単機能のみではなく通勤手当全体をカバーできるシステムがおすすめです。単機能のみだと、結局手作業が残りミスの防止が難しくなります。

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通勤手当の申請は「らくらく通勤費」

通勤費管理システムの「らくらく通勤費」なら、申請・承認・計算・管理を一気通貫で行えます。

地図機能や交通機関の経路検索エンジンを搭載しているので、住所 to 住所の経路検索が可能です。社内規定に合わせた制限設定もできるので、適正な経路のみを申請してもらうことで不正受給の防止やチェックの時間削減を実現します。

課税計算や社会保険料の計算、運賃改定時の一括再計算、遡及計算等の各種計算機能もあるので、通勤手当管理のミス防止と効率化効果もあります。



まとめ

今回は、通勤手当の支給間違いが発生する原因と対処、間違いを少なくする方法を解説しました。
間違いが起こりづらい環境の整備をしても、完全に防ぐのは難しいことです。間違いに気付いたら、速やかに調整しましょう。支給額が不足している場合は原則当月中の調整が必要です。過払い分を差し引く場合は、必ず従業員の同意を得てから行いましょう。
支給間違いを防ぐには、チェック体制の強化や支給ルールの明文化と周知、システム化が有効です。
ぜひ一度、社内規定に合わせて使える「らくらく通勤費」のご導入をご検討ください。